石油とナショナリズム

2022年7月29日に紹介した シナン・レヴェント/著 「石油とナショナリズム」についての記事です。

書誌情報

タイトル 石油とナショナリズム
著者 シナン・レヴェント/著
出版社 人文書院
ISBN 978-4-409-52090-1
価格 4,950 円 (10% 税込)
発売予定日 2022年9月22日
サイズ 四六判
ページ数 368 ページ
Cコード C3021 (専門, 単行本, 日本歴史)

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@nekonoizumi

目次あり。「戦後の石油危機に民族主義はどう結びついていたのか? 大東亜共栄圏を夢見たアジア主義者にとって石油は何を意味していたのか?…」
⇒シナン・レヴェント
『石油とナショナリズム 対中東資源外交をめぐる民族石油資本と戦後「アジア主義」』
人文書院 www.hanmoto.com/bd/isbn/978440

posted at 06:51:25

@nekonoizumi

「…資源ナショナリズムと天皇を中心とした日本民族主義とはいかなるものだったのか?

 出光佐三、山下太郎、田中清玄、杉本茂ら「資源派財界人」、保守傍流とされた岸信介、中曽根康弘らの政治家、ブレーンとなった中谷武世の思想と行動を明らかにする。…」

posted at 06:52:30

@nekonoizumi

「…本書は、戦後日本の「中東」概念を検討し、それが単なる資源保障論に基づく産油国という認識ではなく、戦前のアジア主義が形を変えた資源と密接に結びついた「民族主義」の影響を強くうけていたことを明らかにしたものである。関係者の聞き取りも踏まえ、…」

posted at 06:52:31

@nekonoizumi

「…資源と密接に結びついた「民族系資本」としての石油、資源ナショナリズムについて考察する試み。」

posted at 06:52:31

@nekonoizumi

序章:戦後日本における中東:その定義と概念
第一章:出光佐三とイラン石油
第二章:山下太郎とサウジアラビア・クウェート石油
第三章:田中清玄とアブダビ石油
第四章:杉本茂とアブダビ石油
第五章:中谷武世と中東
補論:通商産業省と石油の自主開発政策

posted at 06:52:52

@nekonoizumi

第四章 杉本茂とアブダビ石油
 1.杉本茂の石油業界への関与
 2.戦後の丸善石油と杉本茂
 3.アブダビ石油の設立と杉本茂の蘇生
 4.対外石油製品輸出論
 5.石油危機説と民族資本論
 6.観音信仰者の杉本茂

posted at 06:54:03

@nekonoizumi

第五章:中谷武世と中東 
1.中谷武世とは 
2. 戦前の中谷とアジア主義
3. 戦後の中谷と保守政界
4.日本アラブ協会の設立過程
5. アスワン・ハイ・ダム建設問題と日本 
6.中谷による民間外交  
7.中谷の民族主義論
8.中谷と中東問題

posted at 06:54:03

@nekonoizumi

終章
1.資源派財界人主導による対中東資源外交
2.石油をめぐる民族主義:天皇崇拝主義

posted at 06:54:04

@nekonoizumi

出光佐三、山下太郎、田中清玄、杉本茂に中谷武世とか絶対に買わねば。

「出光佐三と宗像神社」「「皇道仏教徒」としての田中清玄」「観音信仰者の杉本茂」、そして中谷武世など宗教周りの話も多そう。

posted at 06:55:32

@nekonoizumi

しかもシナン・レヴェント氏といえば、近代日本のトゥーラン主義(ツラン主義)と中央ユーラシア政策(「回教政策」)のテーマで博論を書かれた方。面白くないわけがない。

『日本の〝中央ユーラシア〟政策 トゥーラン主義運動とイスラーム政策』(彩流社,2019) sairyusha.co.jp/978-4-7791-262

posted at 06:58:33

@nekonoizumi

早稲田大学モノグラフで出た
『戦前期・戦中期における日本の「ユーラシア政策」』(2014)
も持っています。
www.waseda-up.co.jp/series04/107.h
twitter.com/nekonoizumi/st

posted at 07:00:28

@nekonoizumi

ちなみに中谷武世については昨年出た木下宏一氏の研究も。

木下宏一
『二〇世紀ナショナリズムの一動態 中谷武世と大正・昭和期日本』
(三元社,2021) www.sangensha.co.jp/allbooks/index

posted at 07:03:10

@nekonoizumi

『二〇世紀ナショナリズムの一動態 中谷武世と大正・昭和期日本』については、筒井清忠先生のブックレビューも。

【第2回】日本の超国家主義研究に役立つ優れた書 二〇世紀ナショナリズムの一動態 Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)
wedge.ismedia.jp/articles/-/225

posted at 07:06:31

@nekonoizumi

中谷武世が主導して、下中弥三郎・中曽根康弘・高崎達之助らとともにつくったのが「日本アラブ協会」で、そこから出て活躍したのが小池勇二郎、その娘が日本アラブ協会事務局長・小池百合子という。

posted at 07:08:21

@nekonoizumi

「1990年、フセイン・イラク大統領の共和国防衛隊がクウエートに侵攻、日本人を含む人質解放に日本アラブ協会事務局長・百合子が動き、バクダッドに出発する直前、死の床の中谷を訪問した。「アメリカの言うがままでは日本民族の自主性はない」が遺言で、「私の手をぐっと握られた」という。…」

posted at 07:09:38

@nekonoizumi

「…中谷の葬儀の香典も中谷の三男と小池が相談して「パレスチナ解放機構(PLO)の子供たちのために」駐日パレスチナ総代表部に寄付されたという。」

posted at 07:09:39

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