2022年7月20日に紹介した 安藤 秀幸/著・編集 「鈴鹿の物語」についての記事です。
書誌情報
タイトル | 鈴鹿の物語 |
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著者 | 安藤 秀幸/著・編集 |
出版社 | 清文堂出版 |
ISBN | 978-4-7924-1476-4 |
価格 | 18,150 円 (10% 税込) |
発売予定日 | 2022年8月10日 |
サイズ | A5 判 |
ページ数 | 518 ページ |
Cコード | C3091 (専門, 単行本, 日本文学総記) |
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目次あり。「室町時代から江戸時代初期にかけて、多くの短編物語が編まれた。今日の文学研究者に「室町物語」(広義の御伽草子)と称される作品群である。…」
⇒安藤秀幸編著
『鈴鹿の物語 研究と注釈』
清文堂出版 https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784792414764… https://www.seibundo-pb.co.jp/index/ISBN978-4-7924-1476-4.html…
posted at 23:34:26
「…その中の一編に、『鈴鹿の物語』(『田村の草子』)がある。田村麻呂伝承と関連付けて紹介されることの多い本作であるが、その他にも異類婚姻や数度の化物退治、天女・鈴鹿御前との対決と婚姻、さらには主人公の死と蘇生など、興味深い要素に溢れている。…」
posted at 23:35:23
「…本書はこの『鈴鹿の物語』について検討し、また注釈を試みるものである。
本書は研究編・注釈編からなる。研究編は、『鈴鹿の物語』と先行説話・先行作品との関わりについて、すなわち『鈴鹿の物語』の編者は何を踏まえ、どのような操作を加えて物語を編んだのかということを主眼に論ずる。…」
posted at 23:35:24
「…注釈編においては、天理図書館蔵写本を底本として校訂本文を作成し、注を付した。注については単なる語釈にとどまらず、表現の典拠や他作品に見られる類似表現、先行研究における解釈についても紙幅の許す限り記し、この作品の解釈と鑑賞に資するべく心がけたものである。…」
posted at 23:35:24
「…また、付録として天理図書館吉田文庫蔵本の翻刻を収める。」
posted at 23:35:25
「難解『鈴鹿の物語』初の研究・注釈書」
「所載の論ではいずれも『諏訪の本地』や『毘沙門の本地』・『日光山縁起』などの本地物や縁起類、その古形を示す『神道集』に加えて『聖徳太子伝』に至る中世独特ともいえる諸作や、歌書や古今集・伊勢物語などの注釈書との関わりが…」
posted at 23:37:01
「…めまぐるしく示されて、読者は否応なくそれらのオーケストレイションに引き込まれていく。」
「既に指摘されてきた室町物語どうしの影響や謡曲との関わりは当然として、「第三部 『鈴鹿の物語』の近世化」では古浄瑠璃の影響も指摘するなど、新たな視界を拡げている。」
posted at 23:37:01
「『鈴鹿の物語』に魅入られた彼は、『鈴鹿の物語』が必要とする研究者であるのかもしれない。」
posted at 23:37:02
ついに、ついに『鈴鹿の物語』(『田村の草子』)の研究書が!!!!!!
16,500円+税だけど、これはなんとしても捻出せねば。 https://twitter.com/nekonoizumi/status/1549764675776442373…
posted at 23:38:48
『鈴鹿の物語』(『田村の草子』)の鈴鹿譚や田村語りは、いわゆる中世神話とも関わる。
posted at 23:43:58
奥浄瑠璃『田村三代記』だと、こんなシーンもあります。
https://twitter.com/nekonoizumi/status/1415617102128373762…
posted at 23:46:52
追記:2022年9月4日に再度紹介しました
安藤秀幸『鈴鹿の物語 研究と注釈』(清文堂出版)を少し読み始めているけど、楽しい。『鈴鹿の物語』は『田村の草子』としても知られる鈴鹿御前・田村ものの御伽草子(室町物語)だけど、波瀾万丈で要素のごった煮感さえある派手な物語。本書はその初めての本格的研究書。
https://seibundo-pb.co.jp/index/ISBN978-4-7924-1476-4.html…
posted at 23:57:40
もちろん、いわゆる「田村語り」の先行研究はいくつもあるし、奧浄瑠璃『田村三代記』も知られてはいるのだけど、ものすごい要素のごった煮である、
“御伽草子『鈴鹿の物語』/『田村の草子』”
についてはそれゆえにバリエーションも多く、関係する事項も多く、諸本の整理も注釈も行われてこなかった。
posted at 00:03:01
筋を追うだけでも、藤原利仁・坂上田村麻呂伝説、大蛇退治、異類婚、鬼神退治(悪路王)、海外(唐土)侵攻と戦死、妖怪退治、天女との対決、さらに2度の鬼神退治(高丸・大嶽)、空を飛ぶ「神通の車」、天女の死、閻魔・倶生神を脅して2人で蘇生等など派手な要素満載。
posted at 00:03:01
派手な食材をどでかい大鍋でごった煮にしたようなお話が『鈴鹿の物語』(『田村の草子』)だし、ごった煮過ぎて食材の味の妙なマリアージュも起きている。そんな食材群が各々文脈を背負っているし、一部を取り分けて別の調味料ぶっかけたバリエーションも多数なので、研究が難しい。
posted at 00:03:02
本書は、『鈴鹿の物語』の諸本整理(第一部)、様々な派手な要素の元ネタ(素材)がどこからきたものかをいくつかの素材について検討(第二部)、この物語が近世にどう流布されたか(第三部)という研究篇と、初の『鈴鹿の物語』の注釈・校訂本文、付録・天理図書館吉田文庫蔵本の初翻刻の注釈篇からなる。
posted at 00:03:02
鈴鹿・田村ものは派手に波瀾万丈なので、読んで楽しい話なのだけど、バリエーションが多くて混乱していたので、こうした堅実な整理と検討の研究は、うれしい。
posted at 00:03:03
ちなみに、本書はあくまで”御伽草子『鈴鹿の物語』(『田村の草子』)を中心とした研究のため、よく知られている奧浄瑠璃『田村三代記』をはじめとした口承文芸・在地伝承系についてはあまり触れられていないことは「序」でも記されている。阿部幹男『東北の田村語り』などもあるしなあ。
posted at 00:03:03
個人的にも以前から鈴鹿・田村ものは、室町時代物語大成収録の諸本や、いくつかの紀要翻刻をコピーしたり、それに『田村三代記』『二代田村』『三大田村』など鈴鹿(田村)もの関係は収集していたので、余裕ができたら、あらためて比べて読む楽しみも。
posted at 00:03:58
とはいえ、今は返却期限の関係で先に読まなければいけないものがいくつかあるので、きちんと読めるのはその後なのだけれど……後のお楽しみ。
posted at 00:03:58
版元の紹介ページにある推薦文も良いですね。 https://seibundo-pb.co.jp/index/ISBN978-4-7924-1476-4.html…
(推薦文)「難解『鈴鹿の物語』初の研究・注釈書 池田敬子」
「『鈴鹿の物語』に魅入られた彼は、『鈴鹿の物語』が必要とする研究者であるのかもしれない。この難解な作品の全編の解明を続けることはもちろんとして、…」
posted at 00:03:58
「…既に新たに広汎な研究課題が浮かび上がったはずで、本書を礎として安藤氏の研究がさらなる飛躍を遂げ、「室町物語」が必要とする研究者として大成することを、期待してやまない。」
posted at 00:03:59
16,500円+税(18,150円)という中々の値段ではあるのだけど、諸本の整理もあるし、各要素の研究もあるし、さらに校訂・注釈本文も収録されているしと、鈴鹿・田村ものが好きな人は、買って損はない。
posted at 00:08:33
『田村三代記』が気になっている人は、先ほども触れた、阿部幹男『東北の田村語り』(三弥井書店,2004)がおすすめ。
(もちろん、諸本の系統関係や伝承の評価などについては、今回の本とは見解が異なるところもある)
https://www.amazon.co.jp/dp/4838290632
posted at 00:13:35
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